水彩画の筆についてわかりやすく解説 各筆の特徴を知ってより自分にあった筆を使おう

水彩画を最短で上達させるコツや、知っておくと役立つ情報を掲載しています。★本サイトにはプロモーションが含まれています★

水彩画の筆についてわかりやすく解説 各筆の特徴を知ってより自分にあった筆を使おう



水彩画で使われる筆は、筆に用いられる素材やその形状によって描き心地が大きく異なります。

何を選べばよいかわからず、とりあえず適当な筆を選んで使っているという方もおられるのではないかと思いますが、 筆が絵に与える影響は大きいです。

筆を変えたら失敗しなくなった…なんてことも普通にあるんですよね。

できれば適当に選ぶのではなく、筆の性質を知った上で、自分の絵の描き方や予算にあった筆を選ぶのが理想だといえるでしょう。

というわけで今回は、水彩でよく使われる筆の特徴についてわかりやすく解説するとともに、 選び方についてもお話ししたいと思います。

安物の水彩筆がダメだといわれる理由

安物の水彩筆は使わないほうが良い、といわれるのをよく耳にしますが、なぜ安物の筆はダメなのでしょうか?



その理由ですが、安物の筆というと大抵はナイロン製であり、作りも雑なものが多いです。

ナイロン製の筆は水の含みがあまりよくなく、たびたび絵の具を継ぎ足さなくてはならないこと、 また作りが雑だと穂先のまとまりが悪かったり、毛が抜けやすいなど色々難があります。

筆は絵を描いているあいだじゅう使うものですから、 使いづらいとストレスがたまりますし、作品の出来にも影響します。

筆のせいで絵が上手く描けないなんて、あり得ないですよね。



ではどの程度のお値段の筆を買えばよいのかですが、 きちんと絵を描く目的で筆を買うのなら、最低でも1000円以上の製品を選ぶようにしましょう。

筆の号数によって値段は大きく変わるため、すべての筆に「1000円」という目安を当てはめることはできませんが、 安すぎずかといって高すぎずというくらいの値段が適当です。

もちろん、予算が出せるのであれば高い筆を買うことをおすすめします。

多くの筆は価格相応の使い心地であることが殆どであるため、コストをかけただけの満足感を得られるはずです。



ただし、筆は消耗品で一生使えるものではありません。

何度も使っているうちに毛が擦り切れてコシがなくなり、 繊細な線が描きにくくなってきますので、そうなると買い替えなくてはなりません。

使い方にもよりますが、筆の使い方が荒い人だと割と短期間で買い替えなくてはならないのですよね。

なので筆を選ぶ際はそういった点も考慮し、自身が気軽に買い替えられる価格帯の製品を選んでおくのが良いと思います。

揃えておきたい筆の種類について

水彩筆と一口にいっても、号数や毛のかたちなど様々なタイプの筆があり、初心者だと何を揃えればよいのかで迷ってしまうかもしれません。

とりあえず最初は、以下のような筆を揃えておくと不足なく描けるはずです。

丸筆



最もよく使うと思われる、一般的な形状の筆です。

どのような絵を描くのかにもよりますが、丸筆は以下のような太さの異なるものを3本ほど用意しておけば、それで事足りることが多いです。

・4号 細い丸筆
・8号 やや細めの丸筆
・12号 太めの丸筆

細かい表現が多い場合は、より号数の小さな筆を、 また広範囲を塗ることが多い場合は、より大きな号数の筆を揃えておくと役立ちます。

平筆



平筆とは穂先がフラットな形をした筆のことで、 広い面を均一に塗ったり、線描(線を描く)に活用することができます。

こちらもサイズ違いで、大小2本ほど揃えておくと便利です。

ちなみに平筆には以下のような「フィルバート」と呼ばれる、フラット型の穂先の側面にやや丸みをつけたタイプの筆があります。 完全にフラットな平筆よりもやさしいタッチで色を塗ることができるため、 こちらも大小サイズを揃えておくと重宝すると思います。

刷毛もあると便利

絶対に必要ではありませんが、大きめの作品を描くことが多い場合は「刷毛」も揃えておくと何かと便利です。



絵を描くときの色塗りに使えるのはもちろんですが、水張りの時に紙に水を塗るのにも使えます。

広い面を一気に塗れるので楽です。




どのような刷毛を選べば良いのか?ですが、 個人的にはナムラというメーカーの刷毛が使いやすくて好みです。 刷毛に関しては、絵画用以外のモノでも構いません。

ですが、あまりにコシが強すぎるものは紙面によくないことと、コシがなさすぎるものも塗りにくいため、おすすめしません。

わからない場合は日本画用などの絵刷毛を選ぶとよいでしょう。

筆を選ぶときは毛の素材をチェックしよう

水彩筆には大きく分けて動物の天然毛を使ったタイプと、合成のナイロン毛を使ったタイプがあります。

どのような素材が使われているか?で描き心地や価格が大きく異なってくるため、 筆を選ぶ際はどのような素材が使われているかをチェックするようにしましょう。

以下、水彩筆に使われることが多い素材の特徴と、参考として実際の商品もご紹介していますので、 選ぶ目安にしていただければと思います。

ナイロン毛(人工毛)

ナイロン毛とは、ポリエステルなどを原材料に作られた合成繊維を用いた毛のことで、 多くの方がご存じのとおり、この素材を使った筆は非常に安価です。

ナイロン毛というと低品質であるように思えますが、 天然毛に似た性質に作られているため、弾力があって描きやすいものが多いです。

またきちんと作られたものであれば、穂先がまとまりやすいところも魅力。



欠点は天然毛に比べると水の含みが悪いため、特に広い面を塗る場合に含ませた絵の具が長持ちしません。

その点が難ではあるものの、価格の割には悪くないといえるでしょう。

ナイロン毛を使った筆を買う場合は、画材メーカー製のきちんと作られているであろう製品を選ぶのがおすすめです。 あと「混合毛」のところでもご紹介していますが、ナイロン毛を使った筆の中には、 天然毛をブレンドしたり、毛に特殊な加工を施すことで天然毛に近い描き心地を実現しているものもあります。

手頃なお値段でありながら使いやすいため、できるだけ筆のコストを抑えたい人はそういった筆を選ぶようにすると良いかもしれません。

馬毛(天然毛)

天然毛の中では安価な素材で、水彩筆にはよくつかわれています。

ほどよい弾力で絵の具の含みもよく、価格が安い割には使いやすいため、コストを抑えたい人にはおすすめです。 ただし馬毛を使った筆でも、価格が極端に安い製品になると毛にコシがなくて描きにくいこともあるため、 激安品はおすすめしません。

リス毛(天然毛)

リス毛は水彩筆では最高級に位置づけられる素材で、毛量の多いタイプになると価格もかなり高めになります。

高級とされるだけあってとても柔らかく穂先のまとまりが良いこと、また絵の具の含みもよいため、広い面でも滑らかに描き続けることができます。

次項でご紹介している「セーブル」ほどの弾力はないため、繊細な描写に関してはセーブルの方が向いていますが、 リス毛の筆は予算に余裕があるのなら選びたい筆の一つです。 リス毛を使った水彩筆は、特にカナダリスとカザンリスの毛を使用した製品が人気です。

種類によって毛の性質が微妙に異なってくるため、 リス毛の水彩筆を買うのであれば、それらの中から選ぶのが良いでしょう。

セーブル(天然毛)

天然毛のなかでも特に優れているのが、黒テンや赤テンの毛を利用したセーブル筆。

絵の具の含みが良いこと、また弾力があって穂先のまとまりもとても良く、 他の素材を使った筆とは描き心地が一味も二味も異なります。

このセーブルのなかでも最良とされるのが、 中国に生息するコリンスキーと呼ばれる赤テンの毛で、レッドセーブルともいわれます。

最高級とされるだけあって、サイズの大きい筆になると1本で2~3万するなどとても高価なのですが、 水彩画を描くには理想の品質を持ち合わせており、価格相応の価値があるといえます。

予算が許すのであれば、ぜひ常用したい筆です。



ちなみにセーブル筆を選ぶのであれば、老舗の筆専門メーカーである「ラファエル」の製品を選ばれることをおすすめします。

このメーカーのセーブル筆であれば品質に間違いはなく、失敗することはないでしょう。 セーブル筆は高価ですが、毛量の少ない(号数が小さい)タイプであればそこそこ手ごろな価格で買えますので、興味がある方はそういったものから試してみると良いと思います。

混合毛

複数の毛を混ぜた筆も存在します。

ここでご紹介するのは天然毛とナイロン毛をあわせたホルベインの「リセーブル」と呼ばれる筆で、 お手頃価格でありながらナイロン筆にはない描きやすさを実現しています。 このリセーブルは特殊処理を施した合成繊維に、用途に応じた天然毛をブレンドした製品で、 2種の素材をブレンドすることで、それぞれの素材の良いとこどりをしています。

一般的なナイロン毛を使っていないところが、この製品のポイントです。

描きやすいのにもかかわらずお値段がかなりお手頃であるため、 コストと品質を両立させたい人におすすめです。

まとめ

ここまで、水彩用の筆の基本的なことについてお話しさせていただきました。

これから筆を揃えるつもりの人は、 どの程度の品質の筆であれば納得できるのか?といった点を考慮したうえで、ひと通りの筆を揃えるとよいでしょう。

筆は消耗品であり、いずれ買い替えなくてはならないことも頭に留めておいてください。
コストを抑えたい人

・ナイロン筆
・馬毛の筆
・リセーブル
など

高品質を求める人

・リス毛の筆
・セーブル筆

なおできれば、筆を買う場合は画材を扱うメーカー製の製品を選ばれることをおすすめします。

画材専門以外のメーカーの製品がダメだといっているわけではありませんが、 特に高級筆を買う場合は、定評のあるメーカーから筆を買ったほうが安全で確実です。

私自身、高級天然毛の使用を謳っている安物筆を、価格の安さにつられて買ったことがあるのですが、 使い始めて間もないうちに、筆の軸の部分の塗装が割れてきて使いモノにならなくなりました。

え、ここが壊れるの?って感じです…。



安価でも良い製品はたくさんありますが、 安いとは言ってもお金を払って買うものですので、できるだけ失敗は避けたいですよね。

となると、筆のような作品の出来に直接影響を与える道具に関しては、 扱っている製品に定評のあるメーカーから買うのが無難だといえます。

以上、参考にしていただけますと幸いです。


わずか3ヵ月で学べる!ユーキャンの風景スケッチ講座

水彩での風景スケッチが気軽に描けるようになりたい。



そんな方におすすめしたいのが、資格講座のユーキャンが提供する「風景スケッチ講座」です。

わずか3ヵ月で、風景スケッチに必要なテクニックの基本~応用までをすべて自宅で学ぶことができます。

レッスン対応のDVD映像がついているため、本だとわかりにくいところも すんなり理解できるはずです。
風景スケッチ講座で学べる内容

・水彩絵具での着彩方法
・遠近感を表現するテクニック
・スケッチ特有の「簡略して描く」方法

最初は線の描き方からスタートするので、初心者でも問題ありません。

また遠近感の表現に欠かせない「1点透視図法」や「2点透視図法」も ばっちりマスターできます。

風景スケッチに必要な画材が一式セットになっているため、 この講座だけですぐに風景スケッチが始められるところも手軽で魅力が大きいですし、お値段もお手頃です。 ユーキャンの資格講座なら自宅ですべて学べますので、スキマ時間しかとれない忙しい人にも向いています。



なお申し込みは、ポイントが貯まる・使えるユーキャンの「楽天市場店」からがお得です。

運営はユーキャンであるため、教材の内容や受けられるサポートサービスは公式サイトで提供しているものと変わりません。

詳細については、講座ページにてご確認ください。



関連記事







▲わずか3ヵ月で、風景スケッチに必要なテクニックの基本~応用までをすべて「自宅で」学べます。
ページトップへ