はがき絵(絵手紙)に「普通の水彩絵の具」は使わないほうがよいの?

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はがき絵(絵手紙)に「普通の水彩絵の具」は使わないほうがよい?



水彩絵の具ではがき絵(絵手紙)を描きたいけど、一般的な水彩絵の具は使わないほうが良いと聞いた。

そんな方、いらっしゃるかもしれません。



はがき絵は、その人ならではの「絵」の個性を楽しむものですので、基本的には何で絵を描いても構いません。

ですが、はがきの材質は考慮する必要があります。



はがき絵でよく使用されるはがきの材質は、正直いって普通の水彩絵の具と相性が良いとは言えないのですよね。

材質にあった絵の具を使わないと描くのが難しかったり、 絵の具がにじんで仕上がりが汚くなってしまう可能性もあります。

なので普通の水彩絵の具で描くのであれば、使うはがきの種類を選びましょう。

今回ははがき絵(絵手紙)に使われるはがきの種類と、それぞれのはがきにあった絵の具について解説します。

はがき絵(絵手紙)に使われることの多いはがきの種類は?



冒頭で、はがき絵の「絵」は何で描いても構わないと述べましたが、 使われることが多いのは水彩絵の具です。

教室や本でも、水彩絵の具を使って描くことを教えているところがほとんどだと思います。



この水彩絵の具ですが、水彩というだけあって水をたくさん使います。

なので、普通のはがきだと水をはじいてしまってうまく描けなかったり、仕上がりが汚くなりやすいのですよね。

なので、はがき絵(絵手紙)用として売られているはがきを使うか、 もしくは水彩紙を使ったはがきを使うのが一般的だとされています。




その中でも、特にはがき絵(絵手紙)に使われることが多いのは、画仙紙と呼ばれる和紙を使ったはがきです。 この画仙紙はがきは水の吸い込みが早く、若干にじみが出やすい性質を持っています。

そのにじみによって、はがき絵らしい味を出しやすいために、はがき絵(絵手紙)を好む人たちによく使われているのです。

画仙紙はがきがにじみやすいのに対して、水彩紙を使ったはがきは、画仙紙よりもにじみ止めの加工が強く施されており紙の表面も滑らか。

紙の種類にもよりますが、摩擦に強く毛羽立ちにくい性質があります。
画仙紙を使ったはがき

・にじみやすい
・毛羽立ちやすい
・紙の表面がやや凸凹している

水彩紙を使ったはがき

・にじみにくい
・毛羽立ちにくい
・紙の表面が滑らか

画仙紙のはがきと水彩紙のはがきとでは、同じようにはがき絵(絵手紙)用を謳っていたとしても、紙の性質は全く異なるんですよね。

紙の性質が異なるということは、あう絵の具も異なるということです。



はがき絵(絵手紙)で、「普通の水彩絵の具は使わないほうがよい」といわれることがあるのは、 画仙紙の性質的に、普通の水彩絵の具だときれいに描けない可能性があるからです。

普通の水彩絵の具で描きたいのなら、その絵の具にあった水彩紙のはがきを選びましょう。

普通の水彩絵の具でも描きやすい「はがき」は?



普通の水彩絵の具…例えば不透明水彩や、透明水彩などを使ってはがき絵(絵手紙)を書く場合は、 画仙紙ではなく水彩用紙を使ったはがきを選びましょう。

画仙紙のはがきに普通の水彩絵の具を使うと、かなりにじみます。

色が混ざってしまって汚くなるだけではなく、塗る際に絵の具がきれいに伸びてくれないため、描きにくくて楽しくないと思います。

普通の水彩絵の具を使う場合は、以下のような水彩紙がおすすめです。


ミューズ はがき用紙 ポストカードパック PB-004 ニューブレダン紙 233g 30枚入



ミューズ はがき用紙 ポストカードパック PHW-104 ホワイトワトソン紙 190g 30枚入




上のブレダン紙は価格がやや高めではありますが、色の出方が良くにじみも出にくいため、水が多い絵の具でも描きやすいです。

一方で下のホワイトワトソンは、画仙紙ほどではありませんが若干のにじみが出ますので、「にじみ」をわざと出したい人に良いかもしれません。

このように水彩紙と一口にいっても、紙の種類によって書き味は異なるため、いくつかを試してみて自分が描きやすいものを選ぶようにするとよいでしょう。

画仙紙はがきに向く絵の具は?



普通の水彩絵の具ではがき絵(絵手紙)を描こうと思ったが、間違えて画仙紙はがきをたくさん買ってしまった。

そんな方、おられると思います。



先にも述べたように画仙紙はがきに、普通の水彩絵の具を使ってきれいな絵を描くのは難しいです。

とはいえ、せっかく買ったはがきを使わないというのももったいないですよね。

普通のはがきとして利用するという手もなくはないですが、この手のはがきはやや高価であるため、それももったいない…。

どうにかして使えないかな?




画仙紙はがきをはがき絵(絵手紙)に利用したい、また絵の具で絵を描きたいのなら、「顔彩」と呼ばれる絵の具を使いましょう。 「顔彩」は、もともとは日本画材として利用されている絵の具です

水彩絵の具の一種ではあるのですが、以下で説明しているように一般的に使われている水彩絵の具とはやや配合成分に違いがあり、書き味も異なっています。
顔彩

顔料(色のもと)に、天然デンプンや膠が接着成分として使われている

普通の水彩絵の具

顔料(色のもと)に、アラビアガムが接着成分として使われている

顔彩には「天然デンプン」や「膠」が、普通の水彩絵の具には「アラビアガム」が接着成分としてつかわれている点が、 それぞれの主な違いだといえるでしょう。

もちろん顔彩であっても、メーカーによってはアラビアガムが使われているものもありますので、 絶対に上記の通りだとは言えませんが、材料が違うために書き味が異なっていると考えてよいでしょう。



実際の使用感としては、普通の水彩絵の具のほうが「色と色の隙間」が多いためか、色に透明感があります。

顔彩は「不透明水彩」に近い色味、というとわかりやすいでしょうか。

色のラインアップも、顔彩では全体的に日本画に使われるような濃いめ、暗めのトーンが多いように思います。

そのような色味であるために混色すると濁りやすく、普段使いの絵の具としてはちょっと使いづらい感じがあります。



しかし顔彩は、普通の水彩絵の具とは違って和紙との相性が良いため、画仙紙でもきれいな絵を描きやすいです。

画仙紙に普通の水彩絵の具を使って絵を描くと、にじんだり色が思ったように伸びなかったりで失敗してしまいやすいのですが、 顔彩なら適度なにじみと色の伸びで「味のある絵」が描けます。

はがき絵(絵手紙)ならではの趣を出しやすいため、はがき絵には「画仙紙はがき」と「顔彩」が最適だとされているのでしょう。



はがき絵(絵手紙)用に画仙紙はがきをたくさん買ってしまった…なんて人は、一度顔彩を使って描いてみるとよいのではないでしょうか。

普通の水彩絵の具とは使い心地が違っていて、それはそれで面白いと思いますよ。


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