なぜ水彩画が脳トレになるのか?その理由について
水彩画をはじめとする絵画には、脳のトレーニング効果があるといわれます。
…なんてことを聞くと、本当に?…なんて疑問に思われる方もなかにはおられるのではないでしょうか?
脳トレいうと、複雑な計算をおこなったりクロスワードなどで頭を使うイメージがありますが、 絵を描くことって基本的には趣味であり、楽しみながらできるものです。
そんな楽しい絵画が脳のトレーニングになるなんて、信じられない方もいるはずです。
なぜ、水彩画を描くことが脳のトレーニングに繋がるのか?
そういわれる理由について解説します。
ちょっと長めの記事ですが、「脳トレのために絵を描いてみようかな…、 でも本当脳のトレーニングになるのだろうか?」なんてことをお考えの方は、ぜひ目を通してみてください。
目次
・そもそも脳トレって何?
・水彩画が脳トレに繋がる理由
普段使わない能力(脳力)が鍛えられる
ストレス解消ができることで脳に良い影響を与える
手指を細かく動かすことで、脳の活性化を促すことができる
長く続けやすい
・絵が下手 なので続けられるか不安という人は
そもそも脳トレって何?
絵画と脳トレについてお話しする前に、まず脳トレがどういうものであるのかについて、簡単に説明しておきたいと思います。
「トレーニング」とは、基本的には訓練や練習を意味する言葉です。
ということは「脳トレ」というと、脳の訓練や練習という意味合いを持つ言葉ということになりますが、 脳の訓練…っていったいどんなものなのでしょうか?
通常、脳の機能は加齢とともに低下します。
例えば、「知っている人の名前がなかなか出てこない」とか 「若いころに比べると頭の回転が遅くなった」などというような状態は、加齢による脳機能低下の症状の一つだといえます。
個人差はありますが、歳をとると脳の機能が低下しやすくなるのは、病気などでなくても避けられないものです。
ただ体と同じように、日ごろから適切な方法で頭を使うように心がけることで、知力低下を遅らせたり、 知能を向上させて高く保つことができるといわれています。
この「適切な方法で頭を使うこと」が脳トレです。
もう少しわかりやすくいうと、知力低下を遅らせる、または向上させるための頭の運動のことを、脳トレというんですね。
ちなみに、知力…いわゆる知能には種類があり、 例えば計算力や集中力、暗記力など、直接的な学習能力に関連した知能は、 18~20代前半の若いころがピークとなり、特に40台以降になると大きく低下していきます。
一方で、年齢や経験とともにつく知識や判断力など、 経験することで蓄積されていく知能に関しては年齢を経ても伸びやすく、大体60台前後でピークとなるのだとか。
もちろん、上記のような傾向はあくまでも平均値から述べているものであって、 日ごろどのくらい脳を使っているのかによって、知能の低下・向上には個人差が出やすくなります。
以上のようなことより、歳をとっても知能を低下させず高く保つためには、 若いうちから頭を使うことはもちろんですが、特に60代以降の適切な脳トレが欠かせないといえるでしょう。
それも、短期間の脳トレでは意味がありません。
知能の低下を遅らせるためには、継続して続けることに意味があります。
水彩画が脳トレに繋がる理由
前置きが長くなりましたが、水彩画が脳トレになるといわれる理由についてお話ししたいと思います。
普段使わない能力(脳力)が鍛えられる
脳には右脳と左脳があり、左脳は計算や言語力など論理的な思考を、 そして右脳は入ってきた情報を認識したり、イメージや直感力など、 いわゆる感覚的な思考をつかさどる場所だとされています。
多くの人は普段、それらを自然に使い分けることで、物事を判断しさまざまな行動をとっています。
知らず知らずのうちに頭を使っているわけですが、 日常生活では左脳を使う機会のほうが圧倒的に多いといわれています。
偏りがあるんですね。
また普段から頭を使っているとはいっても、同じ行動を繰り返すことは脳を鍛えることにはなりません。
しかし、水彩画をはじめとする絵画に取り組むことは、 普段使わない能力…特に右脳を鍛える効果が期待できます。
例えば、風景やモチーフを見たままに絵に描く練習は、右脳を使います。
目で見たままを絵で再現することは、本人は意識することはありませんが直感力や想像力を必要とするのです。
「模写」と呼ばれる、他人の絵をそっくりそのまま再現することを目的とした練習方法がありますよね?
あれが、良い例です。
模写は、自分がもともと持っている理論や知識をもとにして行うものではなく、見たままを描かなくてはならないので特に右脳を使います。
普段使わない右脳の能力を使うことになるので、頭の運動になるんです。
絵を描くだけで、単調な日常生活を過ごしているだけでは使わない能力(脳力)を使うことができるなんて、 すごいと思いませんか?
で、普段使わない能力をつかうことにいったいどんなメリットがあるのか?
例えば、イメージや直感力をつかさどる右脳の能力が鍛えられれば、 とっさのときに物事を的確に判断できるようになりますし、記憶力の向上も期待できるでしょう。
なぜ、右脳を鍛えることでそれらの能力向上が期待できるのかとお思いの方もおられるかもしれませんが、 先にも述べたように、左脳が物事を論理的に処理するのに対し、 右脳はイメージや直感に基づいて、物事を感覚的に処理します。
物事を素早くかつ的確に判断するには、判断するための「理屈(論理)」も必要ですが、 それ以上に主観に左右されない「想像力」や「直観力」が必要です。
特に瞬時に判断する場合は、右脳の能力が必要になるわけです。
また記憶力に関しては、左脳が計算や言語力などにかかわることから、 左脳のほうが記憶をつかさどっているイメージがあるかもしれませんが、実は記憶することに関しては右脳の方が優れています。
物事を言葉で記憶するのではなく、イメージ化して記憶するからです。
イメージによる記憶は忘れにくいだけでなく、記憶容量の面でも左脳に比べると優れています。 わかりやすくいうと、沢山覚えられるんです。
例えば、辞書を読んでもその中身をたくさん記憶することは難しいですが、 頭の中でストーリーを想像しやすい小説だと、一度読んだだけでも大部分を記憶できますよね?
それは辞書の内容はイメージ化しづらく、小説の内容はイメージ化しやすいからです。
絵を描くことと記憶力の向上とをつなげて考えるのは難しいかもしれませんが、 右脳を鍛えることで想像する力を向上させられれば、おのずと記憶力の向上にも繋がります。
そもそも絵画自体が記憶力を必要とする作業ですから、 頭を使うことを意識していなくとも、絵を描くことは頭の良いトレーニングになっているんです。
絵画が脳トレになるといわれるのは、知らず知らずのうちに普段使わない能力を使うことになるからだといえるでしょう。
ストレス解消ができることで脳に良い影響を与える
絵を描くことは、ストレス解消につながります。
嫌なことがあっても、絵を描いているといつのまにか集中してすっかり忘れているんですよね。
忘れられるだけでなく、思い通りに絵が描ければそれだけで気分がよくなりますから、不思議なものです。
ストレスが続くことは、脳にも悪影響があるといわれます。
実際に海外の論文でも、慢性的なストレスが続くことにより、 ストレスに対抗するためのホルモン「コルチゾール」の血中濃度が高い状態が続き、 記憶力や思考力に影響を与えるという結果がでていることが発表されています。
そこまでの過度なストレスでなくとも、 ストレスがあって脳に良いことはひとつもありません。
脳だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす恐れがありますので、 常にストレスを感じているのなら看過はできないといえるでしょう。
完全にストレスをなくすことは難しいですが、ストレスを解消できるような楽しみを見つけることです。
その楽しみの一つとしておすすめしたいのが、絵画です。
絵画に取り組むことでストレスがなくなることはないかもしれませんが、少なくともストレスから解放される時間が持てるのは、 悪いことではありません。
ストレスを感じることが多い人こそ、絵を描くべきではないでしょうか。
手指を細かく動かすことで、脳の活性化を促すことができる
指先は、第二の脳ともいわれます。
そういわれる理由は、脳の広範囲にあたる部分が、 指や手のひら感覚や運動をつかさどるのに使われているからです。
体に占める割合が大きくないのにもかかわらず、 脳の領域の多くが手指や手のひらの運動、感覚のために割り当てられているんです。
それだけ、手や指は複雑な機能を持った器官なのだということが想像できます。
逆に考えると、手指を動かすことは脳の広範囲を刺激し、活性化させることにも繋がるといえます。
水彩画をはじめとする絵画では、手指を細かく動かしては描いていく繊細な作業が大半を占めます。
しかも絵を描きはじめると、それが数時間、数日続くことも珍しくはありません。
先にも述べたように、手指を動かす作業は脳の広範囲の機能を使いますので、脳への良い刺激になっているはずです。
意識することはないものの、効率的な脳のトレーニングだといえます。
長く続けやすい
先にも述べましたが、脳の知力低下を防ぐための脳トレは、継続して行わなくては意味がありません。
継続して行うことで、知力の向上を促したり、低下を防ぐ効果が得られやすくなるからです。
三日坊主だと意味がないのですね。
その点、絵画は長く続けやすいです。
しかも、どちらかというとトレーニングをやっているという感じではなく、楽しみや趣味という感覚でできるため、 苦痛なく継続しやすいんですよね。
また長くやっていると上達してきますから、人に褒められることも多くなります。
そうすると、より続けるというモチベーションを維持しやすくなり、 気が付けば絵を描きはじめてから数年、数十年がたっていた…なんて方も少なくないのではないでしょうか?
楽器とは違い、誰でもいつでもどこでもできるという実践の容易さも、長く続く秘訣だといえます。
絵画ほど、脳のトレーニングに適したものはないのではないでしょうか?
絵が下手 なので続けられるか不安という人は
誰でも簡単にはじめることができて継続しやすい水彩画ですが、 なかには「絵が下手だから続けられるかが不安」という方もおられるかもしれません。
脳トレになるから…とはじめてみたとしても、下手な絵しか描けなければ楽しくありませんし、楽しくないと続きません。
絵画って良さそうだなと思っても、最初の一歩がなかなか踏み出せないという人も少なくないのではないでしょうか?
確かにもともと絵が下手な方が、いきなり上手な絵を描くのは難しいです。
上手い絵を描くには、やはりある程度の練習を重ねる必要がありますので、その過程で嫌気がさしてしまう人もいると思います。
そのコツコツと続く過程を抜けられるまで続けばよいですが、挫折して途中で止めてしまう人もいるでしょう。
そうなると、そこまでかけた費用や時間が無駄になってしまいます。
続かない可能性が大きいなら、最初からやめておこうと考えてしまう気持ちも、わからなくはありません。
とはいえ、水彩画は誰にでもはじめやすい趣味であり、時間はともかくコストに関してはそれほど大きくはかかりません。
楽器をはじめるとなると、最初からある程度まとまった初期費用の投資が必要になりますが、 それに比べると水彩画を始めるのにかかる費用は微々たるものです。
もし途中で嫌になってやめてしまったとしても、無駄になる費用は大きくはないのですから、 興味を持ったのならはじめてみるべきです。
それでも自信がない。
途中で止めてしまうのでないかもしれない
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完全に自宅で取り組めるところも、いつでもどんな時でもできるという点でメリットが大きいと思います。
この水彩画講座で絵を描くためのコツさえしっかりと身に付けられたら、あとは独学でいくらでも上達させられます。
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