服についた水彩絵の具の落とし方について解説
水彩絵の具で絵を描いていて、うっかり服やクッションなどについてしまった…。 もしくは子供が、学校の授業で服に絵の具をつけて帰ってきた。
結構よくあることです。
水彩だから簡単に落とせるかな?と思って洗ってはみるものの、意外と落ちにくいことに驚かれた方もおられるかもしれません。
そうなんです。
水彩絵の具って意外と落としにくいんです。
今回は、そんな服についた水彩絵の具を簡単に落とす方法について解説します。
・水彩絵の具汚れって簡単に落とせるんじゃないの?
・服についた水彩絵の具の落とし方
酸素系漂白剤につけ置きする
でんぷんのりを塗ってもみ洗い
ウタマロ石けんで洗う
・擦りすぎは服を傷めるので注意が必要
水彩絵の具汚れって簡単に落とせるんじゃないの?
水彩絵の具はその名のとおり、水に溶ける性質をもつ絵の具のことをさしています。
その性質から受けるイメージより、衣服についたとしても簡単に落とせるだろうと思われている方は少なくありませんが、 実は水彩絵の具って服につくと簡単には落ちません。
なぜ水溶性なのに落ちにくいのか?
その理由ですが、水彩絵の具は主に「顔料」と呼ばれる、非常に細かな粒子からなる色の成分と、 アラビアゴム(メディウムと呼ばれることも※1)を混ぜ合わせて作られています。
絵の具を塗ると紙に色がつくのは、顔料の粒子が紙の繊維に付着したり入り込んだりしたのち、 アラビアゴムが繊維に付着した絵の具を固めて定着させるからです。
同じように、もし服に水彩絵の具がついたとしたら、 顔料は服の生地の繊維の隙間に付着して固まってしまいます。
水彩絵の具が簡単に落ちないのは、単純に顔料が表面に付着しているだけではなく、 固着してしまっているからなのです。
とはいえ、できるだけ時間をおかずにきちんと処理をおこなえば、服についた絵の具を落とすことは可能です。
メディウムとは「媒体」という意味を持つ言葉で、絵の具の下地として使われる成分や、
粘り気を出すための成分がそれにあたります。
メディウムという名称の物質があるわけではなくて、いわゆる総称なんですね。
ちなみにアラビアゴムもメディウムの一つになります。
参考としてホルベインの製品に、「アラビアゴム メディウム」と呼ばれる溶液がありますが、
これはアラビアゴムやグリセリン、防腐剤を混ぜ合わせた水彩絵の具作りのためのメディウムです。
服についた水彩絵の具の落とし方
どれも簡単ですので、
やりやすい方法で試してみてください。
酸素系漂白剤につけ置きする
ちなみに酸素系漂白剤とは、以下のようなものを指します。 塩素系よりはマイルドな漂白剤として、特にオキシクリーンなどは有名ですよね。
この漂白剤を使えば、
ちょっとした絵の具汚れなら簡単に落とせます。
手順は以下のとおりです。
・服についた絵の具を洗濯洗剤で簡単に手洗いする
・45度前後のお湯に酸素系漂白剤を適量入れて溶かし、絵の具で汚れた部分を1時間程度つけ置く
・すすいだあと、洗濯機で普通に洗濯する
でんぷんのりを塗ってもみ洗い
使い方はとても簡単です。
・絵の具がついた服を濡らし、でんぷんのりをたっぷり塗る
・塗った後、しばらくもみ洗いをする
・のりに絵の具の色が移ってきたら、いったん流す
・服についた絵の具が落ちるまで、上記を繰り返す
・最後に洗濯する
絵の具のほか、墨汁の汚れなどにもでんぷんのりは使えますので、お持ちの方はお試しください。
ウタマロ石けんで洗う
蛍光増白剤とは、衣類を白く見せる効果のある成分のことで、洗濯洗剤の中にもこの蛍光増白剤が配合されている製品って結構あります。
ちょっとした絵の具汚れであれば、
このウタマロ石けんで簡単に落とせるはずです。
使い方は以下のとおり。
・絵の具がついた服を濡らし、汚れた部分にウタマロ石けんをたっぷり塗る
・塗った後、しばらくもみ洗いをして洗い流す
・服についた絵の具が落ちるまで、上記を繰り返す
・最後に洗濯する
絵具以外にも、襟の黄ばみや食べこぼし、泥汚れなども同じようにして落とすことができますので、 常備しておくと役立つと思います。
ただし注意点もあり、淡い色の服に蛍光増白剤が入った洗剤を使うと、やや色味が変わってしまう恐れがあります。
服そのものの色が変わるわけではありませんが、蛍光増白剤には色を明るく、白っぽく見せる効果があるためです。
なので使うのであれば、ベージュやパステルカラーなどの服を避けて利用されることをおすすめします。
擦りすぎは服を傷めるので注意が必要
ここまで、服についた絵の具の落とし方についてご紹介させていただきました。
どの方法でも比較的簡単に絵の具汚れを落とすことができますが、 絵の具がたくさんついていたり、絵の具がついてから時間が経過していた場合、なかなか落ちない可能性があります。
ただ落ちないからといって、むやみに服を擦りすぎると生地を傷めてしまう恐れがありますので、ご注意ください。
できるだけ生地の摩擦を避けたい場合は、汚れをこすり落とす必要がない「酸素系漂白剤」がおすすめです。
私自身は酸素系漂白剤で落ちなかった場合に、ほかの方法も試しています。
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