水彩用紙の保存方法 水彩用紙の風邪引きを防ぐための対策について解説
水彩にはたくさんの水を使います。
なので、水彩用の用紙は水に強く作られていますが、 水には強くとも湿気には弱いということをご存じの方、どの程度おられるでしょうか?
湿気にやられて劣化してしまうと、もうその用紙はまともに使えません。 この状態を、「紙が風邪をひく」と表現することもあります。
水彩用紙って決して安くはありませんから、風邪をひいてしまうのだけは避けたいですよね。
今回は、水彩用紙の正しい保存方法について解説します。
目次
・水彩用紙はなぜ湿気に弱い?
・水彩用紙のサイジングが劣化したらどうなる?
・サイジングの劣化は直せない?
・未使用の水彩用紙の保存方法
・描いた作品の保存方法
・用紙はまとめ買いしないようにする
水彩用紙はなぜ湿気に弱い?
もともと紙って水分や湿気には弱いものです。
ですが水彩用紙はその性質上、たくさんの水を含ませても大丈夫なように作られているため、 水分には強いと思われがち。
水分に強いということは湿気にも強いはず…と思い込んでしまいそうですが、実はそうではありません。
水彩用紙には、水を含んだ時に色がにじんでしまわないように「サイジング」と呼ばれるにじみ止めの処理が施されています。
サイジング処理により、水分の吸収を紙の表面で適度に抑制することによって、色のにじみを防いだり、 用紙上で絵の具を扱いやすくする効果があります。
水彩用紙には欠かせない処理なのですが、実はこのサイジング、湿気によって劣化してしまいやすいのですよね。
水彩用紙のサイジングが劣化したらどうなる?
水彩用紙にほどこされたサイジング処理が劣化すると、以下のような症状が起こりやすくなります。
サイジングは水を適度にはじくための処理です。
なので劣化してしまうと、用紙への絵の具のノリに大きな影響がでます。
例えば、用紙の水の吸い込みにムラが出るため、意図しない場所で絵の具がにじんだりはみ出しやすくなります。
また絵の具の発色も悪くなりますし、 それ以前に絵の具が塗りづらいです。
劣化の程度にもよりますが、劣化してしまったらまともに絵を描くのは難しいといえるでしょう。
サイジングが劣化すると…
・意図しない場所で絵の具がにじみ、ムラになる、はみ出す
・絵の具の発色が悪くなる
・絵の具が塗りにくい
なので劣化してしまうと、用紙への絵の具のノリに大きな影響がでます。
例えば、用紙の水の吸い込みにムラが出るため、意図しない場所で絵の具がにじんだりはみ出しやすくなります。
また絵の具の発色も悪くなりますし、 それ以前に絵の具が塗りづらいです。
劣化の程度にもよりますが、劣化してしまったらまともに絵を描くのは難しいといえるでしょう。
サイジングの劣化は直せない?
画材の一つとして、「マルチサイジング」と呼ばれる用紙のにじみ止め液が市販されています。
これは水彩用ではない用紙に、即席で「にじみ止め加工」を施すためのものです。
この溶液を使って、劣化した用紙に再度サイジング処理を施すことができないだろうか…?と考える人もおられるかもしれません。
結論から言うと、再度サイジング処理を施して紙を使えるようにできないことはないのですが、難しいです。
私自身がそれで失敗したことがあるんですよね…。
まず、サイジング液をムラなく塗ること自体が難しいこと、 また1回で結構な量のサイジング液を消費するので、コスパが悪いです。
どうしてもその用紙を使う必要があるのならばともかく、 失敗する可能性が高いことを考えると、新たに紙を買い足した方が無駄がないと思われます。
あきらめましょう。
これは水彩用ではない用紙に、即席で「にじみ止め加工」を施すためのものです。
この溶液を使って、劣化した用紙に再度サイジング処理を施すことができないだろうか…?と考える人もおられるかもしれません。
結論から言うと、再度サイジング処理を施して紙を使えるようにできないことはないのですが、難しいです。
私自身がそれで失敗したことがあるんですよね…。
まず、サイジング液をムラなく塗ること自体が難しいこと、 また1回で結構な量のサイジング液を消費するので、コスパが悪いです。
どうしてもその用紙を使う必要があるのならばともかく、 失敗する可能性が高いことを考えると、新たに紙を買い足した方が無駄がないと思われます。
あきらめましょう。
未使用の水彩用紙の保存方法
水彩用紙のサイジング処理が劣化すると、もうその用紙は水彩にはまともに使えません。
なので水彩用紙を保存する場合は、できるだけ湿気を避けて冷暗所に保存するようにしましょう。
手軽でおすすめなのは、乾燥剤とともにジップロックに入れて保存する方法です。
以下のような感じで収納します。
小さいサイズの用紙なら
これで十分でしょう。
↑日常で使っている水彩紙のスケッチブック。周囲のマスキングテープは、水彩によって紙がボコボコになるのを防ぐために貼っています。(参考:スケッチブックに水彩画を描くと用紙がボコボコする…を防ぐ方法)
やや大きめの用紙の場合は、そのサイズにあった衣類圧縮袋を利用すると良いでしょう。 それか、カメラのドライボックスを使うのもありです。
私はカメラやレンズをいくつか持っているので、大きめのドライボックスを使って用紙も一緒に保存しています。
ドライボックスと一口に言っても様々なタイプがありますが、 最初から湿度計がついたボックスだと、中の湿度状態が把握できるので便利ですよ。
あと乾燥剤は消耗品なので、長期保存する場合は定期的に交換するようにしてください。
再利用可能な乾燥剤もありますが、私自身はなんとなく大丈夫かな?と心配になってしまうので、使いきりのものを利用することがほとんどです。
なので水彩用紙を保存する場合は、できるだけ湿気を避けて冷暗所に保存するようにしましょう。
手軽でおすすめなのは、乾燥剤とともにジップロックに入れて保存する方法です。
以下のような感じで収納します。
小さいサイズの用紙なら
これで十分でしょう。
↑日常で使っている水彩紙のスケッチブック。周囲のマスキングテープは、水彩によって紙がボコボコになるのを防ぐために貼っています。(参考:スケッチブックに水彩画を描くと用紙がボコボコする…を防ぐ方法)
やや大きめの用紙の場合は、そのサイズにあった衣類圧縮袋を利用すると良いでしょう。 それか、カメラのドライボックスを使うのもありです。
私はカメラやレンズをいくつか持っているので、大きめのドライボックスを使って用紙も一緒に保存しています。
ドライボックスと一口に言っても様々なタイプがありますが、 最初から湿度計がついたボックスだと、中の湿度状態が把握できるので便利ですよ。
あと乾燥剤は消耗品なので、長期保存する場合は定期的に交換するようにしてください。
再利用可能な乾燥剤もありますが、私自身はなんとなく大丈夫かな?と心配になってしまうので、使いきりのものを利用することがほとんどです。
描いた作品の保存方法
描いたあとの水彩作品も、上でご説明した方法と同じように湿気に注意し、冷暗所で保存するようにしてください。
当然ですが、水彩作品は保存状態が悪いとカビが生えやすくなるため、完全に乾いた状態で収納するようにします。
カビはいったん生えると除去が難しいため、大切な作品の場合は「水彩画用の保護ワニス」を使っておくと安心です。
これは防カビのためのスプレー剤で、カビを生えにくくします。
使い方は簡単で、水彩作品が完全に乾燥したあと、紙から30cmほど離して均一に吹き付けるように使用するだけ。
まずは作品の表面に薄く塗布し、完全に乾いたら(すぐ乾きます)、今度は裏面にも均一にスプレーを吹き付けます。
片面だけでは防カビ効果が十分ではないため、両面に吹き付けるようにしましょう。
用紙はまとめ買いしないようにする
用紙の消費がよほど激しい人以外は、水彩用紙をまとめ買いしないようにしましょう。
安いときにまとめ買いしたくなる気持ちはわからなくもありませんが、長期間保管しておくのが大変なこと、 またうっかり劣化させてしまった場合の被害が甚大です。
特に価格の高い高級用紙は、必要になってから買い求めるようにした方が安心だといえます。
私の場合、普段使いの安めの用紙は半年分くらいをまとめ買いすることがありますが、 きちんとした作品用の用紙は、その都度買い足すようにしています。
あと、湿気の多い梅雨から夏場にかけての時期は、用紙類はできるだけ買い控えるようにしています。
もともと夏場は湿気が高く紙が劣化しやすいですし、 ネットで用紙を買うことが多いため、配送時の雨や湿気も心配なのですよね。
頻繁に水彩画を描いているという方ならばともかく、 そうでない方は用紙のまとめ買いはおすすめできません。
以上、参考になりますと幸いです。
安いときにまとめ買いしたくなる気持ちはわからなくもありませんが、長期間保管しておくのが大変なこと、 またうっかり劣化させてしまった場合の被害が甚大です。
特に価格の高い高級用紙は、必要になってから買い求めるようにした方が安心だといえます。
私の場合、普段使いの安めの用紙は半年分くらいをまとめ買いすることがありますが、 きちんとした作品用の用紙は、その都度買い足すようにしています。
あと、湿気の多い梅雨から夏場にかけての時期は、用紙類はできるだけ買い控えるようにしています。
もともと夏場は湿気が高く紙が劣化しやすいですし、 ネットで用紙を買うことが多いため、配送時の雨や湿気も心配なのですよね。
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