透明水彩に混ぜる水の量について解説 絶対にこれという決まりはない

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透明水彩絵の具に混ぜる水の量は?どのくらい混ぜればよい?



透明水彩絵の具はその性質上、水をたくさん混ぜて使います。

そうすることで、透明水彩ならではのきらきらした透明感が生きてくるため、 本などでも「絵の具には水をたっぷりと混ぜる」と説明されていることが多いです。

ですが、この「たっぷり」という表現が特に初心者にはわかりにくいようで、 頭を悩ませている方は少なくありません。

今回は、この透明水彩絵の具に混ぜる水の量について解説したいと思います。

実は透明水彩に混ぜる水の量に「これ」といった決まりはない



もともと水彩絵の具は水をたくさん使いますが、その中でも透明水彩は特に水を使う量が多いです。

なので透明水彩の本などでは「たっぷり水を混ぜる」なんて風に表現されていることが多いのですが、 この「たっぷり」という表現が初心者にはいまいちわかりづらかったりします。

絵の具に対して何割程度…なんて風に、水を混ぜる割合が決まっているとわかりやすいのですが、 実は透明水彩に混ぜる水の量にはっきりとした決まりはありません。

使う紙質によって水の量を調整する必要がありますし、 明るいところを塗るなら水を多く、逆に暗く塗るなら水を少なくといった具合に、明度によっても変わります。

なので最初は、まず描いてみてコツをつかむしかありません。
以下、そのコツのつかみ方です。

使う色は最初に出しておくこと

まず最初に…

透明水彩に慣れていない人だと「使う絵の具の色をその都度出す」なんて方もおられるのではないかと思いますが、 基本的に必要だと思われる色は最初に出しておきましょう。



描く絵にもよりますが、例えば紙の上で複数の色によるグラデーションを作りたい場合、 紙に塗った絵の具が完全に乾く前に次の色を置かなくてはなりません。

しかし絵の具をその都度だすやり方だと、 絵の具を出している間に紙の上の絵の具が乾いてしまい、次の色がうまく混ざらなくなってしまいます。

なので必要な色はあらかじめパレットに出して、 場合によっては水も混ぜてすぐに使えるようにしておきましょう。

絵の具に混ぜる水の量はたっぷり、でも薄くなりすぎないように



透明水彩絵の具は水をたっぷり混ぜるように言われることが多いのですが、 水で色が薄くなりすぎてもいけません。

目安としては、水をまぜた絵の具を通してパレットが透けて見えるところもあるけれど、 基本的には色が濃く出ている状態であること。

お醤油…くらいの透明感だというと、わかりやすいでしょうか?





もちろん先にも述べたように、明るいところはより水を多く、暗い部分はやや水を少なくといった具合に、 表現の仕方によって必要な水の量は変わります。

例えば以下の絵は、使っている色は1種類のみですが、水の量を変えて明度に変化をつけることで明暗を表現しています。



このように透明水彩では、水の量を変えて色の出方に変化をつけることがあるため、 混ぜる水の量に正解はないのです。

ですが絵の具を水で溶くときのおおよその目安として、「お醤油くらいの透明感」が適当だということを覚えておくとよいでしょう。

使う用紙によっても水の量を調整する必要がある

用紙によって、水の吸い込み速度は異なります。

・水の吸い込みが良い用紙は、絵の具が乾くのが速い
・水の吸い込みが遅い用紙は、絵の具の水分が長く紙の上に残る

この紙の性質、透明水彩ではかなり重要になってきます。




例えば「水の吸い込みが良い用紙」を透明水彩に使う場合、 紙に置く絵の具の水分が少なすぎると、速く乾きすぎてしまって上手くぼかせなかったり、 修正が全くできないといったことが起こります。

逆に「水の吸い込みが遅い用紙」だと、いつまでも水が紙の上に残ります。 なので絵の具に混ぜる水分が多いと、塗った絵の具がなかなか乾いてくれません。

この状態では、最初に置いた色と後から置いた色とが混ざって濁りやすく、これもまた描きすすめにくいです。

このように、紙によって水を吸い込む速度は大きく異なるため、 その用紙に合わせた水の使い方を考える必要があります。




おすすめなのは、普段使う用紙を決めてしまうこと。

最初にいくつかの水彩用紙を使ってみて、水の乾き具合が自分の描き方にあっていると感じるものを何種類か把握しておくとよいでしょう。

人によって好みはあると思いますが、 水張不要の水彩用紙だと、使う前の水張り作業がいらないため楽ですよ。

参考:水張り不要の水彩用紙は?ヨレヨレを気にせず水彩画を描こう

水が多いか少ないかを判断する練習方法

透明水彩絵の具に混ぜる水の量の加減がわからないという方は、まず絵を描き、 その絵を複数の色で塗ってグラデーションを作る練習をしてみましょう。

実際に複数の色で絵を塗ってみると、水が多すぎるか少なすぎるかがわかりやすいです。



透明水彩で適度にぼかしながら色を付けていく場合、次々に塗っていくのではなく、 最初に置いた絵の具の水分が「ほどよく乾いた」ところで、次の色を置くことが多いと思います。

「ほどよく乾いた」というのは水分が完全に乾いた状態ではなく、紙の表面に水は残っている状態をさします。

濡れていて光沢感はあるように見えるけれど、水たまりはできていない…という状態です。





ここで絵の具がなかなか乾かず、いつまでも水たまりが消えないとしたら、多分水が多すぎます

逆に、あっという間に乾いてしまう場合は水が少ないかもしれません。

前項でも説明したように、絵の具の水分が乾く速度は用紙の性質によっても左右されるため、水の量に完全な正解はありません。

あくまでも、水の乾くスピードが自分にとってちょうどよいか…という点を目安にして下さい。





絵の具に混ぜる水の量がほどよいと、適度な時間で

用紙に置いた絵の具に光沢感は残っているけれど、水たまりはできない状態

上記のような状態になりやすいです。

このようなやや水分が残った状態だと、次の色を置いても混ざって汚く濁ることがありません。

とはいえ完全に乾いているわけでもないため、色と色の境界線で微妙に色が混ざりあって自然なグラデーションを作ることができます。

異なる色を隣り合わせで置く際、少しだけ間隔をあけて色を塗り、間を水でつなげるように描くとうまくぼかしやすいです。

その際の筆に含ませる水の量の加減が、初心者にとってはまた難しいのですが、 これはもう練習を重ねるしかありません。

やっているうちに、ちょうどよい水加減ができるようになってきます。

透明水彩に混ぜる水の量のまとめ

透明水彩に混ぜる水の量の目安

・透明水彩に混ぜる水の量に正解はない
・水を加えたあとの絵の具は、お醤油くらいの透明感
・使う用紙によって水の量は加減する

透明水彩は、描くものによって必要な水の量が変わります。

なので水の量に正解はないのですが、おおよその目安としては、 お醤油くらいの透明感になるように絵の具と水を混ぜるようにすると良いでしょう。

あとは、実際に描いてみることです。

記事中でご紹介したように、紙に残る水の量を意識しながらグラデーションを作る練習をしてみると、 水が少ないか多いかがわかりやすいです。

ぜひ、試してみて下さい。






なお、透明水彩絵の具の扱い方や水のコントロールについては、当サイトでよくご紹介している 上西先生の水彩画講座セット でも詳しく学べます。

いろいろ調べたりやってはみたけど、やはり水の混ぜ方や量のコントロールの仕方がわからないという方、 またもう少し具体的に透明水彩絵の具の使い方が知りたいという方は、一度チェックしてみると良いでしょう。

映像を使って学ぶため、完全自宅でできる点も〇です。


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